急性中耳炎

こんなお悩みはありませんか?

  • 子供が耳を痛がって泣き止まない
  • 風邪をひいてから耳が聞こえにくくなった
  • お子様が何度も中耳炎を繰り返している
  • 耳から液(耳だれ)が出ている
  • テレビの音が大きくなった、呼んでも返事をしない
  • 耳が詰まった感じがずっと続いている
  • 飛行機に乗ったあと耳の調子がおかしい
  • 保育園・幼稚園の健診で「耳に液がたまっている」と言われた

このような症状に心当たりがある場合、急性中耳炎や滲出性中耳炎の可能性があります。特にお子様の中耳炎は自覚症状を訴えにくく、発見が遅れることがあります。気になるサインがあれば、お早めに土支田耳鼻咽喉科へご相談ください。

急性中耳炎とは

急性中耳炎とは、鼓膜の奥にある「中耳」と呼ばれる空間に、細菌やウイルスが侵入して急性の炎症を起こした状態です。耳の痛みや発熱、耳だれ(耳から液が出る状態)などの症状が比較的急に現れるのが特徴です。

中耳と鼻の奥はつながっており、この管を「耳管(じかん)」といいます。風邪や鼻炎によって鼻の粘膜が腫れると、耳管の機能が低下し、細菌やウイルスが中耳へ侵入しやすくなります。そのため、急性中耳炎は「風邪のあと」に発症するケースが非常に多く見られます。

急性中耳炎は乳幼児から大人まで幅広い年齢層に起こりますが、特に0歳~6歳のお子様に多く、3歳までに約7割が一度は経験するとされています。お子様は耳管が短く、傾きも水平に近い構造のため、細菌が中耳へ侵入しやすい状態にあります。

当院では、耳鏡や内視鏡を使った丁寧な鼓膜観察により、急性中耳炎の診断・重症度の評価を行っています。特にお子様の急性中耳炎については、日本耳科学会・日本小児耳鼻咽喉科学会のガイドラインに基づいた適切な治療を心がけています。

滲出性中耳炎とは

滲出性中耳炎とは、中耳に「滲出液(しんしゅつえき)」と呼ばれる液体がたまった状態です。急性中耳炎と異なり、痛みや発熱を伴わないことが多いため、気づかれないまま進行してしまうことがあります。

「テレビの音が大きくなった」「呼んでも返事をしない」「耳が詰まっているような話し方をする」といった変化に親御さんが気づいて、受診のきっかけになることも少なくありません。お子様はうまく症状を言葉で伝えられないことが多く、日常生活のちょっとした変化に目を向けていただくことが早期発見につながります。

滲出性中耳炎は急性中耳炎が治り切らないまま慢性化したケース、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎に伴って発症するケースなどが代表的です。また、アデノイド(咽頭扁桃)の肥大が耳管の働きを妨げることも原因のひとつとされています。

当院では、開院以来多くのお子様の滲出性中耳炎を診察してきました。「健診で耳に液がたまっていると言われた」「中耳炎が長引いている」といったご相談をよくいただきます。軽症から中等症まで、お子様の状態に合わせた治療をご提案します。

急性中耳炎・滲出性中耳炎の症状

急性中耳炎の主な症状

  • 強い耳の痛み(乳幼児は耳に手を当てて泣く、不機嫌になる)
  • 発熱(38℃以上の高熱を伴うことがある)
  • 耳だれ(鼓膜に穴が開いて液が出ると、かえって痛みが和らぐことがある)
  • 耳の詰まり感・聞こえにくさ
  • 夜間に症状が悪化しやすい

滲出性中耳炎の主な症状

  • 耳の詰まり感・聞こえにくさ(痛みはほぼない)
  • 「テレビの音量が上がった」「返事が遅い」など周囲が気づく聴力低下
  • 耳鳴りがする(大人に多い)
  • 言葉の発達が気になる(長期化したお子様)

滲出性中耳炎は症状が地味で、本人も「なんとなく聞こえにくい」程度に感じることがあります。特に小さなお子様は自分から訴えることが難しいため、保護者の方の観察が非常に重要です。

急性中耳炎・滲出性中耳炎の原因

風邪・上気道感染

急性中耳炎の最大の原因は、風邪やインフルエンザ、RSウイルス感染症などの上気道感染です。鼻の炎症が耳管を通じて中耳へ波及し、細菌(肺炎球菌やインフルエンザ菌など)が繁殖することで中耳炎が起こります。保育園や幼稚園に通うお子様は感染の機会が多いため、特に繰り返しやすい傾向があります。

アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎

アレルギー性鼻炎(花粉症を含む)や副鼻腔炎(蓄膿症)があると、鼻の粘膜が慢性的に腫れた状態が続き、耳管の働きが妨げられます。その結果、中耳に液がたまりやすくなり、滲出性中耳炎を引き起こしやすくなります。鼻の病気を並行して治療することが、中耳炎の再発防止につながります。

アデノイド肥大

アデノイドとは、鼻の奥(鼻咽頭)にあるリンパ組織です。幼少期に肥大しやすく、耳管の入り口を塞いだり、細菌の温床になったりすることで、滲出性中耳炎や急性中耳炎を繰り返す原因になることがあります。繰り返す中耳炎の背景にアデノイド肥大がある場合は、専門医への相談が必要なことがあります。

乳幼児の解剖学的特徴

乳幼児の耳管は、大人と比べて短く・太く・水平に近い形をしています。このため細菌やウイルスが鼻から中耳に入り込みやすく、中耳炎にかかりやすい構造となっています。成長とともに耳管の形が変わり、中耳炎は起こりにくくなっていきます。

急性中耳炎・滲出性中耳炎の治療

中耳炎の治療は、原因・症状の程度・お子様の年齢・繰り返しの有無などを総合的に判断して行います。治療の効果には個人差があります。以下はあくまで一般的な治療の流れです。

急性中耳炎の治療

軽症の場合は、抗菌薬(抗生物質)を使わず経過観察を行うことがあります。これは、一部の急性中耳炎は自然に改善することが知られており、また不必要な抗菌薬使用を避けることが耐性菌対策の観点からも重要とされているためです。

中等症以上の場合や、2歳未満で高熱を伴う場合などは、抗菌薬の投与を行います。日本耳科学会のガイドラインに基づき、お子様の状態に合わせた薬剤を選択します。

また、痛みや発熱が強い場合は解熱鎮痛薬を使用することがあります。鼻水や鼻づまりがある場合は、鼻の治療も並行して行うことが中耳炎の回復を助けることがあります。

鼓膜切開(鼓膜に小さな穴を開けて液を排出する処置)が必要と判断されるケースでは、提携する医療機関へのご紹介も行います。

滲出性中耳炎の治療

軽症の滲出性中耳炎は、適切な鼻の治療を続けながら経過を観察します。多くのケースでは数週間〜数ヶ月で液が自然に排出されることがあります。

アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎が背景にある場合は、その治療を優先します。鼻の通りが改善されると、耳管の機能も回復しやすくなります。

液が長期間たまり続け、難聴の程度が強い場合や、言語発達への影響が懸念される場合には、鼓膜換気チューブ留置術(鼓膜に小さなチューブを入れて換気を確保する手術)が検討されることがあります。このような外科的処置が必要と判断された場合は、対応可能な専門病院へご紹介いたします。

治療中の生活上の注意点

  • 治療中は、処方された薬を指示通りに最後まで服用する(自己判断で中止しない)
  • 鼻水が出ているときは、強くかみすぎない(鼻をすすらない)
  • プールや水泳は、医師の指示に従う
  • 急性中耳炎の発熱中は、入浴を控えるか短時間にする
  • 改善後も経過観察の受診を忘れずに

「症状がおさまったから大丈夫」と受診をやめてしまうと、液が中耳に残ったまま慢性化することがあります。完治を確認するまで定期的にご来院ください。

よくあるご質問

中耳炎の診断には鼓膜を直接確認する必要があり、耳鼻咽喉科での受診をおすすめします。耳鼻咽喉科では耳鏡や内視鏡を用いて鼓膜の状態を詳しく評価できるほか、鼻の状態も含めた総合的な診察が行えます。中耳炎は鼻・のどの状態と深く関連していることが多く、原因を含めた診断と治療が再発防止につながることがあります。もちろん、まず小児科でご相談いただいてから耳鼻咽喉科を紹介してもらうことも可能です。
繰り返す急性中耳炎(反復性中耳炎)は珍しくなく、特に保育園や幼稚園に通うお子様に多く見られます。毎回風邪をきっかけに起こることが多く、集団保育で感染の機会が増えることが背景にあります。繰り返す場合は、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、アデノイド肥大が関係していることがあります。原因に応じた治療を行うことで、発症頻度が減ることがあります。なお、繰り返す中耳炎には鼓膜換気チューブ留置術が検討されることもあり、その場合は専門医療機関をご紹介しています。お子様の状態に不安を感じたら、一度ご相談ください。
急性中耳炎の耳の痛みは突然始まり、夜間に強くなることがよくあります。痛みが強く、お子様がひどく泣き止まない・発熱が38.5℃以上ある・耳だれが出ているといった場合は、早めに受診されることをおすすめします。夜間でも小児救急が対応可能な医療機関をご利用ください。一方、痛みが軽度で翌朝まで様子をみられる場合は、解熱鎮痛薬で対応しながら翌日の診察でも差し支えないことがあります。ただし、ご家庭での判断が難しい場合は、かかりつけ医や小児救急電話相談(#8000)にご相談いただくことをおすすめします。
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