口内炎
こんなお悩みはありませんか?
- 口の中に白い潰瘍ができて、食事のたびにしみて痛い
- 子供が「口の中が痛い」と言って食事を嫌がっている
- 口内炎が治ったと思ったら、またすぐに別の場所にできてしまう
- 市販の軟膏を塗っているが、なかなかよくならない
- 子供が高熱を出して口の中に水ぶくれがたくさんできている
- 口内炎が2週間以上治らずに、だんだん大きくなってきている
- 疲れやストレスがたまると必ず口内炎ができる
- 子供が手や足にも発疹が出ていて、口の中も痛そうにしている
口内炎は「よくあること」として放置されがちですが、繰り返す場合や2週間以上治らない場合は、全身疾患や口腔内の病気が隠れていることがあります。お子様の口内炎は手足口病やヘルパンギーナなどの感染症が原因のこともありますので、症状が気になるときは耳鼻咽喉科へお気軽にご相談ください。
口内炎とは
口内炎とは、口の中の粘膜(唇・頬の内側・舌・歯ぐき・喉の入り口など)に炎症が生じた状態の総称です。白や黄白色の潰瘍ができて痛むものが代表的ですが、原因によって見た目や症状、治療法が大きく異なります。
口内炎は非常に身近な症状で、生涯に一度も経験しない人はほとんどいないといわれるほど一般的なものです。多くの場合は1〜2週間で自然に治りますが、繰り返す場合・なかなか治らない場合・複数ヶ所に同時にできる場合・だんだん大きくなる場合は、背景に何らかの原因がある可能性があります。
特に注意が必要なのは、2週間以上治らない口内炎です。口腔がん(こうくうがん)など悪性の病変が口内炎のような見た目で現れることがあるため、「なかなか治らない口内炎」は自己判断せず、耳鼻咽喉科や口腔外科での診察をおすすめします。
当院では、口の中・喉の状態を内視鏡も用いながら丁寧に観察し、口内炎の原因を特定したうえで適切な治療をご提案します。「また口内炎ができた」「子供の口の中が痛そう」と感じたら、まずご相談ください。

口内炎の種類と主な症状
口内炎にはいくつかの種類があり、それぞれ症状や原因が異なります。
アフタ性口内炎
最も一般的な口内炎です。直径2〜10mm程度の円形または楕円形の潰瘍で、表面が白〜黄白色になり、周囲が赤く縁取られているのが特徴です。触れると強い痛みがあり、食事・会話・歯磨きのたびにしみることがあります。
原因はまだ完全には解明されていませんが、疲労・睡眠不足・ストレス・栄養不足(ビタミンB群・鉄・亜鉛など)・ホルモンバランスの変化などが誘因とされています。通常は1〜2週間で自然に治りますが、繰り返す場合は「再発性アフタ性口内炎」として治療が必要なことがあります。
ウイルス性口内炎
ウイルスが原因で起こる口内炎で、特にお子様に多く見られます。代表的なものに以下があります。
ヘルペス性口内炎(単純ヘルペスウイルス感染)
単純ヘルペスウイルス(HSV)の初感染または再活性化によって起こります。口の中や唇に小さな水ぶくれが多数できて破れ、痛みの強い潰瘍になります。発熱・倦怠感・リンパ節の腫れを伴うことがあります。初感染は乳幼児に多く、「突然高熱が出て口の中に水ぶくれがたくさんできた」という形で現れることがあります。
手足口病
コクサッキーウイルスなどのエンテロウイルスが原因で起こります。口の中の水ぶくれ・潰瘍に加えて、手のひら・足の裏・おしりなどにも発疹が現れることが特徴です。夏に流行しやすく、乳幼児・保育園・幼稚園のお子様に多い感染症です。「子供の手と足に発疹が出て、口の中も痛そうにしている」という場合は、手足口病の可能性があります。
ヘルパンギーナ
コクサッキーウイルスA群が原因で起こる感染症です。38〜40℃の急な発熱と、喉の奥(軟口蓋・扁桃周囲)への水ぶくれ・潰瘍が特徴で、手足への発疹はほとんど見られません。夏に流行しやすく、6歳以下のお子様に多く見られます。「子供が急に高熱を出して、喉の奥に口内炎のようなものができている」という場合はヘルパンギーナが疑われます。
カンジダ性口内炎
カンジダ菌(真菌)の増殖によって起こる口内炎です。口の中の粘膜に白いカッテージチーズ状の付着物が現れ、拭き取ると赤くただれた状態になることがあります。免疫力が低下しているとき・抗菌薬を長期間使用したとき・ステロイド薬の吸入後に口をすすがなかったときなどに起こりやすい傾向があります。乳幼児では「鵞口瘡(がこうそう)」として見られることがあります。
外傷性口内炎
誤って頬の内側を噛んだ・歯ブラシで傷つけた・合わない入れ歯や矯正装置が当たり続けているといった物理的な刺激によって起こる口内炎です。原因を取り除くことで改善することがありますが、刺激が続く場合はなかなか治らないことがあります。
口内炎の主な原因
疲労・睡眠不足・ストレス
「疲れがたまると口内炎ができる」という方は非常に多くいらっしゃいます。過労や睡眠不足・強いストレスは免疫機能を低下させ、口腔内の粘膜の回復力を弱めることがあります。アフタ性口内炎の誘因として最もよく挙げられるもののひとつです。
栄養不足
ビタミンB2・B6・B12・葉酸・鉄・亜鉛などの不足が口内炎と関連しているとされています。偏った食事・ダイエット中・消化吸収の問題などで栄養が不足すると、口腔粘膜の修復力が低下し、口内炎ができやすくなることがあります。
口腔内の不衛生・乾燥
口の中が不衛生な状態が続くと、細菌が繁殖して口腔粘膜に炎症が起こりやすくなります。また、口呼吸・唾液の分泌量が少ないといった原因で口腔内が乾燥すると、粘膜のバリア機能が低下し口内炎ができやすくなります。お子様の場合、鼻づまりによる口呼吸が口腔乾燥の一因となることがあります。
ウイルス・細菌感染
前述のヘルペスウイルス・コクサッキーウイルスなどのウイルス感染が口内炎の原因となることがあります。また、溶連菌感染症に伴って口腔内に炎症が起こることもあります。
全身疾患・免疫異常
ベーチェット病・クローン病・全身性エリテマトーデス(SLE)・潰瘍性大腸炎などの全身疾患に伴って口内炎が繰り返されることがあります。「なかなか治らない」「何度もできる」場合は、背景に全身疾患が隠れていることがあるため、内科的な精査が必要なことがあります。
子供の口内炎・お子様の口の痛みが気になる親御さんへ

「子供が食事を嫌がっている」「口の中に白いものがある」「高熱とともに口の中に水ぶくれができている」——こうした症状を心配されて来院される親御さんは当院でも多くいらっしゃいます。
お子様の口内炎は、大人と比べてウイルス感染が原因となるケースが多い傾向があります。特に以下の症状はウイルス性の感染症のサインである可能性があります。
- 突然38℃以上の高熱が出て、口の中に水ぶくれや潰瘍がたくさんできている(ヘルペス性口内炎・ヘルパンギーナの可能性)
- 口の中の症状に加えて、手のひら・足の裏・おしりに発疹が出ている(手足口病の可能性)
- 喉の奥だけに水ぶくれが集中していて、夏場に発症した(ヘルパンギーナの可能性)
- 口の痛みで水分がとれない・ぐったりしている
水分がとれないほど痛みが強い場合や、ぐったりして元気がない場合は早めに受診されることをおすすめします。
お子様の口内炎は保育園・幼稚園・学校での集団感染につながることがあります。手足口病・ヘルパンギーナはいずれも感染力が強いため、症状がある間は登園・登校を控え、手洗いを徹底されることをおすすめします。
また、お子様が口呼吸をしている場合は、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎による鼻づまりが背景にあることがあります。「いつも口を開けている」「鼻がずっと詰まっている」というお子様は、鼻の治療も並行して行うことが口腔内の環境改善につながることがあります。
口内炎の治療
治療の効果には個人差があります。以下はあくまで一般的な治療の流れです。
局所療法(外用薬)
アフタ性口内炎や外傷性口内炎に対しては、ステロイド含有の口腔用軟膏・貼付薬・スプレーが使用されることがあります。患部に直接薬を当てることで、炎症と痛みをやわらげる効果が期待されます。
ウイルス性口内炎への対応
ヘルペス性口内炎に対しては、抗ウイルス薬(アシクロビルなど)の内服・外用が使用されることがあります。手足口病・ヘルパンギーナはウイルス感染のため抗菌薬は効果がなく、痛みや発熱への対症療法が中心となります。水分補給・安静・口の痛みをやわらげる鎮痛薬の使用が重要です。
カンジダ性口内炎への対応
抗真菌薬の含嗽薬(うがい薬)・軟膏・内服薬が使用されることがあります。ステロイド吸入薬を使用している場合は、吸入後に口をしっかりゆすぐことが予防につながります。
ビタミン・栄養補充
栄養不足が背景にある場合は、ビタミンB群・亜鉛などの補充が行われることがあります。食事内容の見直しと合わせて、サプリメントや薬剤による補充を行うことがあります。
2週間以上治らない口内炎の精査
2週間以上治らない口内炎は、口腔がんなどの可能性を除外するために、専門的な診察・組織検査が必要なことがあります。当院では状態を確認し、精査が必要と判断された場合は口腔外科・耳鼻咽喉科の専門医療機関へご紹介します。
生活上の注意点
- 口の中を清潔に保ち、食後の歯磨きとうがいを丁寧に行う
- 刺激の強い食べ物(辛い・熱い・酸っぱいもの)を控える
- 十分な睡眠をとり、疲れをためすぎない
- バランスのよい食事を心がけ、ビタミンB群・鉄・亜鉛を意識してとる
- 口呼吸がある場合は、鼻の治療も並行して検討する
よくあるご質問
- 口の中の痛みや口内炎が主な症状の場合は、耳鼻咽喉科または小児科を受診されることをおすすめします。耳鼻咽喉科では口の中・喉の状態を内視鏡も使って詳しく確認できるほか、鼻・耳の状態もあわせてみることができます。発熱を伴い手足にも発疹がある場合(手足口病の可能性)や、全身状態が心配な場合はまず小児科でのご相談も一つの選択肢です。水分がとれないほど痛みが強い・ぐったりしているという場合は早めに受診されることをおすすめします。
- 繰り返す口内炎は「体質だから」と諦めてしまいがちですが、背景に疲労・栄養不足・免疫の乱れ・全身疾患などが関係していることがあります。繰り返す場合は、ビタミンB群や亜鉛などの不足がないか血液検査で確認することや、生活習慣の見直しが改善につながることがあります。また、ベーチェット病・クローン病など全身疾患に伴って繰り返す口内炎もあります。「いつも同じ場所にできる」「月に何度もできる」という場合は自己判断せず、一度耳鼻咽喉科にご相談ください。
- 2週間以上治らない口内炎は放置せず、耳鼻咽喉科や口腔外科を受診されることをおすすめします。一般的な口内炎は1〜2週間で改善することがありますが、それ以上続く場合や徐々に大きくなっている場合は、口腔がんなど悪性の病変が疑われることがあります。口腔がんは早期発見・早期治療によって予後が大きく変わる疾患のひとつとされています。「なかなか治らない口内炎」を軽く見ず、まずは専門医に診ていただくことをおすすめします。
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